連れ去り勝ちに諦めるな別居親!ひとり親世帯の問題と別居親にできること

連れ去り勝ちとは、主に母親が子どもを連れて出ていき、そのまま単独親権者として社会に認められるストーリーです。連れ去り親は本当に勝っているのでしょうか?

ひとり親家庭には次のような問題があります。

  • ワンオペ育児による貧困
  • 子殺しを含む虐待
  • 難ある親が単独親権者

俗にいう連れ去り勝ちは、親権制度に起因する社会問題です。一方でひとり親になった家庭へは、社会の終着点として、あらゆる問題が流れ着きます。「国>地域>家族>親子」の流れで、社会が構成されているからです。

子どもと別居するあなた!我が子と会えない日々は辛いけど、子どもたちは頑張っています。親のあなたは、どうする?

ひとり親家庭の抱える社会問題と別居親にできることを、連れ去り勝ちの側面からみていきましょう。

今回の記事における私の裁判所体験録は、2019年から2021年あたりのもの。2023年の今、どれだけ変わったかな?

▶共同親権とは?【日本再生の希望】現状の問題点やメリットデメリット

連れ去り勝ちの背景に単独親権制度あり

連れ去り勝ちの元凶は、明治民法をもとにした「単独親権制度」です。簡単に後述しますが、日本の親権制度そのものが、単独親権制度という理解でいいと思います。言い換えると「家制度」です。結果として現在の私たちの国では、子どもを連れ去った親が単独親権を得られる社会構造になってしまいました。

実際に裁判所では、日常的に子どもと時間を共にする親を、親権者として認める傾向が高いです。なので通称「連れ去り勝ち」といわれます(※2021年時点)。

また、連れ去りをはじめとした単独親権争いでは、母親が親権者となるケースが多いです。 裁判所で親権者として認められる母親の割合は、なんと90%以上。

2020年の司法統計では、親権者の定めをすべき離婚の調停または審判の件数18,035に対して、母親が親権者に定められた数は16,908件。
▶参照:司法統計/23「離婚」の調停成立又は調停に代わる審判事件のうち「子の親権者の定め」をすべき件数―親権者別―全家庭裁判所

母親が連れ去り勝ちしやすい理由は、親権者を定める基準に次の2原則があるからです。

  • 母性優先の原則
  • 継続性の原則

もちろん、法に定められているわけではなく「考え方」です。今やお気持ちともいえる2原則で、法運用がなされて連れ去り勝ちが起きています。

父親が連れ去るケースや「追い出し勝ち」のパターンもあるよ

▶おすすめ本「実子誘拐ビジネスの闇/池田良子」

母親が連れ去り勝ちできる理由①母性優先の原則

母性優先の原則とは「幼い子どもにはお母さんが必要やんね!」という考え方です。母性と父性は役割が違うので、理解できる部分もあります。

しかし、親権者を定めるために、母性だけが優先されるのは、私はなんだか腑に落ちない。親権者の適性を考える場合、「お母さん」ではなく「日常的に養育する親」がどんな人物なのかが大切なのでは?

そもそも、父母のどちらかを親権者として選ぼうとする、婚姻外の単独親権制度は子育て的に破綻してるかな。子どもを育てる大人を減らしてどないするん?婚姻してへん両親の内ひとりは、子育てせんでよいってことか?

私たちの国では「子育て=母親/ 仕事=父親」 という価値観が根強いです。単独親権制度に起因する性別役割分担が、大きく影響をおよぼしていると考えられます。

2023年に発表されたジェンダーギャップ指数は過去最低の125位。下位の国々は軒並み「単独親権制度」を採用しており、家父長概念が強い傾向があります。翻って上位は「共同親権制度」採用の国々。ジェンダーギャップと親権制度には相関性がみられます。

▶「日本はジェンダーギャップ125位」をそのまま受け取ってはいけない…「指数」が反映しきれない現実の世界/PRESIDENT Online 2023.06.30

母親が連れ去り勝ちできる理由②継続性の原則

継続性の原則とは「現状を変えない方が子どもにとって望ましい」という考え方です。これまでの養育実績という側面もあるので、なるほど感がありますが裁判所を侮ってはいけません。

なんと裁判所は子どもの環境について、連れ去った時点からの継続性を考慮します。

つまり、裁判所に関わった時点で、子どもが誰といるのかがポイントになります。しかも養育実績として問われるのは、身の回りのお世話という直接的な子育てばかり。子を育てるためのお金を稼ぐ「仕事」は、養育時間とみなされにくいです。

離婚後の養育費の未払いは問題になりますが、そもそもとして、養育費を稼げない親がなんで親権者にあんるんだろう?とは不思議に思わない不思議。

▶共同親権で子の連れ去りはなくなり共同養育できるのか?分厚い壁が見える

連れ去り勝ちする3ステップ

日本で離婚を考えたときに、どうしても親権が欲しかったら、以下の3ステップでほぼ確実に親権者になれます(2021年時点)。

  1. 子どもを連れ去る
  2. 監護者指定の調停をする
  3. 離婚する

とにもかくにも下準備をしたら、子どもを連れ去ります。次に、引っ越し先で新生活を固めながら、監護者指定の調停や離婚調停を申し立てます。そして期日がくるたび、なんとなく協議していれば親権者になれます。子どもと暮らす親が主体で調停は進みますから。

ついでに、調停では「婚姻費用」という生活費を、所得の多い配偶者へ請求できるので、調停中に無職でも、さほど問題になりません。

けっこう簡単!?だけど2023年の今は転換期を感じるかな

日本の婚姻制度の対象は「働く夫と専業主婦」です。 つまり、家制度=単独親権制度。 子育てする男性と働く女性が存在しない家族システムなので、共働きの日本社会では「子育て罰」なんて言葉がとびでるのでしょう。

連れ去り勝ち後のひとり親家庭の問題点3つ

連れ去り勝ちできる単独親権制度の日本では、次のようなひとり親家庭の社会問題があげられます。

  1. ワンオペ育児による貧困
  2. 親による子殺しを含む虐待
  3. 難ある親が単独親権者へ
別居親は子どものサポートを断たれてしまう

1. 壮絶なワンオペ育児による貧困

子の連れ去りにより親子断絶状態でひとり親になると、子育てをひとりでこなしながら仕事もしなくてはいけません。さらに日本では、婚姻女性の非正規雇用の割合が高く、母子家庭の貧困率は数値のあるOECD加盟諸36ヵ国の中で最下位です。ちなみ就業率はトップクラス。仕事してるのに稼げない。

母子親家庭の相対的貧困率:48.3%
 ※OECD平均:31.9%
▶参照:内閣府  男女共同参画白書 第6分野 男女共同参画の視点に立った貧困等生活上の困難に対する支援と多様性を尊重する環境の整備

仕事しながら一人で家事と育児をこなすのは、子どもが小さければ小さいほどテンヤワンヤです。肉体的にも精神的にも疲弊してくると、ワンオペ育児と貧困は壮絶な負のスパイラルとなってゆきます。

2. 親による子殺しを含む虐待

ワンオペ育児に貧困が重なると、親の精神状態はさらに悪化します。子どもは些細なことで怒られたり、十分な教育を受けさせてもらえなかったり。最終的には愛する我が子への身体的虐待へ。

ひとり親家庭での虐待の割合は、深刻な数値となっています。特に親子心中の数値は、単独親権制度の歪をわかりやすく体現していて興味深いです。2005年から2019年にかけての親子心中のデータをみていきます。

  • 親子心中の内、ひとり親世帯は約27%
  • 27%の内、離婚によるひとり親は約18%
  • 全世帯数の内、ひとり親世帯は約9%

全世帯数の内の約9%が、親子心中の約27%を叩きだすという異常な値です。どうして親権者になったのか。どうして非親権者に子どもを託さなかったのか。本人が意図しない無意識の思い込みから、結果として連れ去り勝ちになるケースも考えられるので、背景が気になります。

さらに、心中における母親の割合は50%を超えています。自殺における女性の割合は男性の約1/2。にもかかわらず親子心中という子殺し自殺となると、半数が女性となるのです。

▶参照子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について

家制度である単独親権制度の「子ども=所有物」と「子育て=女性」という無意識の思い込みが、母親を追い込んでいると私は想像

3. 難ある親が単独親権者へ

連れ去り勝ちすれば、DVや虐待の加害傾向のある親でも、単独親権者になれてしまいます。しかも現行の法運用の下では、非親権者は子どもを助ける術がありません。

親権があっても子どもと別居しているだけで、親子断絶や親として排除される事案も特徴的で、婚姻中の共同親権制度が機能していない表れでもあります。つまり、日本の親権制度は単独親権制度ということです。

非親権者が親としてどのように我が子と関われるかは、単独親権者のさじ加減しだいとなります。日本社会そのものが単独親権制度をベースにしているので、行政も司法も民間支援でも、子どもより単独親権者を優先させる傾向が強いからです。

連れ去りが起きると、子どもを社会に人質に取られている状況になるよ

単独親権制度は子どもを所有物として考えるシステムです。家族システムの根っこである親権制度が現行のままだと、子どもの権利概念など育ちようがありません。

▶【自己肯定感】子育てに失敗する方法と親にできるたった二つのこと

連れ去り勝ちと避難はまったく違う

勘違いしてはいけないのが、避難せざるをえないケースです。親子の心身を守るために子どもを連れ去るのは、連れ去りじゃなくて避難といえます。むしろ子どもはハッピーで、さらに家族全員で次のステップへ進みやすくなるでしょう。

緊急避難の観点からみれば、なにがなんでも子どもを連れ去って、逃げてほしいと私は願います。繰り返しになりますが、日本の親権制度では、DVや虐待の加害者が単独親権者になれてしまうからです。そして問題のある親が単独親権者になった場合、子どもに何かあっても非親権者はなす術がありません。

連れ去りの問題点は、連れ去ることより、親子を断絶させること

また 、虚偽DVによる連れ去り勝ちも深刻な問題になっています。裁判所に申告するために子どもと家を出た理由にDVをでっち上げてしまうのです。

日本ではいとも簡単にDV加害者をつくりだせます。「DVされました」とそれらしい機関で相談するだけで、公的に乱用できる書面を発行してもらえるからです。加害者にされた側への聞き取りはありません(2021年時点)。

連れ去り勝ちされた別居親にできること

連れ去り勝ちされた別居親にできることは、面会交流だけではありません。

子どものために元パートナーとの、関係を修復する努力がおすすめです。夫婦としてではなく「人」として。

はらわた煮えくりかえるほどの嫌悪感が、元パートナーにあるかもしれません。だけど我が子の不幸と天秤にかけられる問題ではないはずです。子どもの幸せを願うからこそ、あなたは私の記事をここまで、読んでいるのではないでしょうか。

両親ともに自身の問題に向かい合わなければ、子どもは大人の幼稚さに巻き込まれるばかりです。子どもが幸せになれるよう、たくさんの視点をもち、多角的にサポートすることが、子育てであり親の役割な気がします。

関係修復には「関わらない」という選択肢もあるよ!

連れ去り勝ちを俯瞰して、自分を見つめられる機会になりますように。

私もタロジロの幸せのために奮闘中です。
もちろん私のためでもある。  

タロジロへ 

父将軍からすてきなLINE書簡を賜りました。さてどうしたもんだか。君たちに勇気があれば一揆や革命おまちしています。 

ちなみに母は家康より信長派です。
なので安泰失敗。

なぁ、タロジロ。
今はきっと時代の変わり目や。

常識が刻々と変化するから、きょろきょろじっくり世界を見渡すんやで。おんなじとこで、おんなじことばっかりしてたら、あかん。生き物は、停滞すると衰退するだけです。

今はちょっと窮屈かもしれんけど、ワクワクする未来は運んでこれるから。

止まるな!
進め!!!




きっと大丈夫。
あなたもがんばって。


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